第一話
「マネキン折っても心は折れないぜぇ」
マサキは心の中でそうつぶやいた。しかしながらこのところのマサキと云えば失敗続きで正直参っていた。
『今日も終電逃しちまったか‥』ふと携帯電話機器に目を向けると
チカッ チカッ とランプがゆっくりと点滅していることに気が付いた。
マリコからだった。
ボタンを押す風もなく、携帯電話機を手に持ったまま呆然とするマサキを同僚がみたらどう思っただろう。
だが、オフィスにはマサキ以外誰も残っておらず、
マサキのデスクのパソコンと携帯電話機の画面だけがボンワリとマサキを照らしているだけだった。
Claes Oldenburg. (American, born Sweden, 1929)
